昨日、串本の町家で紹介した「菓子潮さき」を営む施主奥さまから電話があって、ご主人が他界されたことを知った。何とも言葉にできない悲しみにお掛けする言葉も見つからず、ただただ悲嘆に暮れている。
紙面を借りて哀悼を述べさせていただくことを、どうかお許しください。
<菓子潮さき 外観>
ご主人はとても温厚…
患った目も順調に回復し、ようやく目の奥の痛みも消えた。
昨日から本格的に仕事に復帰し、これまでご迷惑をおかけした方に改めてお詫びしたい。ふたリの子どもも春には巣立ちを向かえるとあって、今後は自身の充実を目指して進んでいこうと思う。
<建物全体を望む>
小田原の仕事が、あとひと月で竣工を向かえる。…
新春のお慶びを申し上げます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年も相変わりませずよろしくお願い申し上げます。
昨年末より多大なご迷惑をおかけしましたが、何とか静養の甲斐あって、少しずつ復帰に向けて動き始めました。
ご心配をおかけしましたこと、何卒お許しくださいませ。
少し報告をさせてください。
師走に入った途端、…
創建時の思いは受け継ぎたいと、外観の面影を残すよう努めた。
大きくひと屋根にしながらも、かつての重ね妻の外観を保ち、小瓦の軒葺だったものを、銅版葺きを主体に軽快に整えた。
<餘慶庵外観>
入側の軒の下がりに対処するため、屋根勾配を少し立て、軒裏に桔木をしっかり入れて納めている。入側の丸太桁…
餘慶庵の座敷は、主座敷7畳と次の間8畳からなる。
それに水屋が付随し、新たに設けた控室と納戸に加え、裏の墓地に面した観音堂からなる。それをひと棟として、渡り廊下で本堂とつないでいる。
<主座敷 表千家七畳の写し>
主座敷は7畳で、表千家7畳の写しとして作られている。
表千家の7畳は、8代…
幾度かの改修を経てきたものの、経年とともに痛みがひどくなった。
原因は繰り返した増築と、納まり切れていない屋根形状にあった。
そこで、全体の屋根を撤去し、ひとつの大きな屋根で覆うことで対処しようとの結論に至った。
<現場解体直後>
屋根を剥がすと小屋組はしっかりしていたが、軒を支える桔木…
HPでも紹介したが、餘慶庵の改修が竣工した。
工期が短く、当初はかかわる皆が無理ではないかといっていたが、何とか多くの人の協力を得て、無事に竣工にこぎつけた。このような場所での仕事に、職人にとっても心に残る仕事となったことだろう。
<餘慶庵扁額を見る>
京都の北、閑静な寺域が広がる大徳寺…
今年は災害の多い一年となってしまいました。
被災された方には心よりお見舞いを申し上げます。
安穏に日々が過ごせる有り難みを、改めて噛みしめる思いです。
一刻も早い復旧を、心よりお祈り申し上げます。
<慧然寺境内整備>
さて、前回のホームページ刷新から些か時が経ちましたが、このほど近作…
庭は京都の吉田造園が手がけた。
吉田さんはいつも穏やかな表情で、こちらの意図を丁寧に聞いてくれる。私は元あった樹木の状態を知らずに設計に入ったこともあって、大部分を吉田さんの目に託した。
<書院入側から主庭を通して本堂を望む>
本堂前の庭や、この欄でも紹介した中庭、坪庭、また墓地周囲の植裁など、境内整…
玄関から大廊下の正面突きあたりに、寄付のひと部屋を設けた。
猫間障子から見える主庭の緑が、来る人に期待を抱かせる。
見えるようで見えないことに、人は奥ゆかしさを感じるのだろう。
<寄 付>
内部8畳敷きに、その内の1畳を床とした。これを原叟床(げんそうどこ)といって、一枚の地板に床…
玄関を上がると、取次をかねた大廊下に出て各所へと結ばれる。
天井には幅2尺、長さ7mの杉の中杢板を布張りとし、床板は赤松の幅7寸ほどを1寸の厚みで張っている。2階の床高をなるべく低く抑えて外観に反映させるため、要所に2階の床を支える梁を現してまとめた。
<大廊下を寄付に向かって見る>
入ってす…
短期間で材料を集めねばならないとあって、すぐに手配に走った。
業者決定が10月半ばだったため、樹木の伐採時期と重なったのは幸いだった。
庫裏と書院だけでも140坪超の面積があり、大量の木材が求められた。
<大径木から木取るところ>
今回の計画にあたり、和尚からどうしても木造でという気持ちを聞…
今年の暑さは常軌を逸している。
些か暑気あたり気味で、何とも身体が辛い。
梅雨が早く明けてしまったこともあるが、温暖化の影響も相当大きいのではないかと思う。慧然寺の続きを。
<本堂前から庫裏を望む>
本堂を残して、裏にある墓地を修復し、庫裏と書院を新築、外構の塀をやり変え、北側の駐車場、…
今年は異常に早く梅雨が明けてしまい、毎日の暑さに閉口している。
昨月中に仕上げる小田原の実施設計も、漸く書き切れることができた。
溜まった雑用をこなし、また新たな計画に取り掛かろうと思う。
<前面道路より全体を望む>
今年の3月末に、東京深川の慧然寺(えねんじ)が竣工した。
4月に行われ…
すっかり梅雨らしい毎日が続いている。
小田原の仕事の締め切りが近づいているものの、未だに考えがまとまらない。こういうときがつらいときで、決断しきれないもやもやが梅雨空と重なる。
<リビング吹抜を見る>
先日、西白山台の住宅の上棟式が行われた。
請け負った工務店の社長と話をしていて、それなら正式…
連休に入ったものの、これから溜まった仕事に掛からねばならない。
毎年、この連休と盆休みはこれに充てることにしている。
むなしくないかと問われれば、その通りなのだが、これも致し方ない。
今日から机に向かいだした。
<入側周り下屋>
京都の餘慶庵もようやく屋根が納まって、銅板、瓦が葺…
寺院の仕事が続いている。
これまで寺院の仕事などなかったのだが、続けざま飛び込んできた。先日の東京深川は漸く引き渡しを終え、ホッとするも束の間、福聚寺が佳境に入ってきた。
<観音堂から見る境内 遠くに枝垂桜>
福島三春にある臨済宗妙心寺派、福聚寺という。
すでに拘わってから4年になる。
私が赴…
今年の桜はあっけなかった。
例年楽しみにしている近所の桜があるのだが、今年は満開を見ることなく散ってしまった。春を感じる間もなくモミジの新芽が出てきて、新緑映える初夏も近い。
<法要当日>
東京深川の慧然寺、ようやく先日落慶を迎えた。
開山の別伝和尚350年遠忌とともに、庫裏、…
すっかり更新が滞ってしまった。
昨年暮れの風邪から始まった体調不良が、ついに1月末から2月初旬にかけて寝込むこととなり、治ったと思ったらまた昨月末に風邪をこじらせてと、散々な今冬だった。
漸く春の気候に助けられて、今は毎日を慌ただしく過ごしている。
<西白山台の家 全景>
一昨日、長らくお待…
正月明け以来、20日も出張が続いている。
何をしているのか自分でもわからない。
瞬く間に過ぎてしまった、というのがこの月の印象である。
<瑞峰院表門より>
昨年、京都大徳寺の瑞峰院より、茶室の屋根替え、増築における設計の依頼を受けた。
まだ修理して間もないはずだがと思っていたが、軒が下がり雨…