新生餘慶庵<竣工2.>

幾度かの改修を経てきたものの、経年とともに痛みがひどくなった。
原因は繰り返した増築と、納まり切れていない屋根形状にあった。
そこで、全体の屋根を撤去し、ひとつの大きな屋根で覆うことで対処しようとの結論に至った。

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               <現場解体直後>

屋根を剥がすと小屋組はしっかりしていたが、軒を支える桔木が小さく、役に立っていない。雨漏りが至るところに腐れをもたらし、座敷周りの柱はしっかりしているものの、水屋側の造作材が取り付く柱は耐力が限界に達していた。
そうした部分を先ずは明らかにして、使える材と取り換えねばならないものを定めて工事に取り掛かった。
素屋根を掛けて建物を覆い、調査と平行しながら設計図書と照らして寸法を決めていく。工期が迫っているため、現況の採寸をしながら、その場で施工図を書いて進めた。

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             <新たに小屋梁を組み直す>

既設材を極力用い、また意匠上もかつての面影を残そうと努めたため、高さの制約が厳しい。そのため、小屋を組むにはかなりな曲がり梁が必要だった。話が出た時から、恐らくそうなると踏んで山に頼んで探して貰っていたが、実際の寸法が確定するまでは気が気でなかった。
何とか見つけた木材で、梁の木づくりができたことは幸いだった。
また床周りが弱っていたこともあって、棟の納まりをつけてから床下を撤去し、新たに組み直した。小屋も床下も、出来てしまえば見えない仕事だが、ここが確かでないと建物は長持ちしない。

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            <新たに座敷の軒を組み直す>

座敷の軒の小丸太も、すでに耐力の限界で、今回の改修で全て変えた。
近年、北山でも小丸太の生産はほとんどなく、今後の数寄屋がどうなるかと途方に暮れる。今回は、いつもの辻計銘木の尽力で、30年ものの小丸太を揃えて貰った。
桔木も適宜入れ、後々のためにと思った仕事を心掛けた。

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                  <上棟式>

  (前田)

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