第32回三重県建築賞

今年は空梅雨かと思っていたら、早や台風ですね。
被害もないようで、これで過ぎていきそうで良かったです。
おかげで蒸し暑い日が続く予感ですが、皆さま如何お過ごしでしょうか。

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                <伊勢市観光協会外観>

このたび、第32回三重県建築賞に伊勢市観光協会が入選しました。
伊勢市観光協会は外宮近くの沿道に建ち、外宮の森を背景としています。伊勢市における観光行政の拠点として、市域はもとより他県からの来訪者も利用できるようにと計画されました。
昨年は、伊勢神宮への参詣者が800万人を超えたと聞きましたが、こうした人たちに伊勢の魅力を伝えるためにも、大いなる活躍が期待されます。
ここ外宮界隈は山田と呼ばれ、かつては伊勢の中心地として旅館や町家が立ち並ぶ賑やかなところでした。内宮前の宇治地区と比べると、建物も威風堂々、新進気鋭といった当時の前衛的な建築が軒を連ね、豪奢な風貌の町並みだったようです。
しかし高度成長期を境に、次第に街から活気が失われていきました。
道路の拡張はかつての街並みを一変させ、古くからの町家もほとんどを失い、現在では観光の中心も内宮前の宇治に取って代わられました。

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              <広間石庭から外宮の森を望む>

私どもに設計の依頼を戴いたのが、今から4年前。
計画にあたってはそれらの現状を踏まえ、この立地と目的に沿うならば、やはり伊勢の風土を感じさせるものをと思い、伊勢に伝わる伝統的な町家をモチーフとして計画したものです。
刻み囲いと呼ばれる下見板で覆うのが伊勢町家の特徴で、一見すると無骨な感じですが、これも台風の通り道という気象条件が生んだ造形なのでしょう。
昨年無事に完成し、この度の遷宮に向けて多方面に使われているようです。

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                   <土間を見る>

土地の建築を、土地に根付く知恵を生かし、その地の職人が作っていく。
しかも、こうした公共の建物によって再現できたことに大きな意義を感じます。
伝統を受け継ぎ、風土に見合った建築を作ることはけして古いことではなく、むしろ受け継ぐものの中から、新たな時代への鍵が見つかるのではとさえ、思っています。
ここが観光案内だけにとどまらず、この地の歴史を背景に、伊勢の生活や文化、風習を学ぶ窓口ともなればと願っています。
このたびの受賞を機に、これからも地域に根ざした建築を作っていこうと、思いを新たにしています。

 (かりの)

設計監理  前田 伸治
        暮らし十職一級建築士事務所
施 工    株式会社 堀崎組
事業主    社団法人 伊勢市観光協会

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