石巻の仕事 1.

寒の戻りか、寒い日が続いている。
席の温まる間もなく、7日続きの出張などはザラになった。おかげで仕事は溜まる一方で、暫くはこのスタイルから脱却できそうもない。
昨夕戻る早々、今朝も宿泊先のホテルで考えた計画を図にして送ったところだ。

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                 <増築部分の小屋組>

先日、久しぶりに石巻に行った。
冬の凍結も和らぎ、土中の氷も漸く溶けた。彼の地も春の訪れが近いようだ。
増築部分の建方が始まったこともあり、その確認をおもに、植木の手配に同道する。建築は、20坪ほどの増築なのだが、少し難しく書いたこともあって、既存との取り合いに苦戦した。しかし、高さも想像通りに納まり、先ずは順調な滑り出しとなった。
増築建物は、池奥の滝を正面に見る絶好の立地になり、このたびの拡張される庭園の、点景ともなるものである。複雑な屋根になったが、思うような姿が望めそうで安堵している。
大工は、前回に引き続き加藤工匠が仕切っており、現場は加藤吉男棟梁のもと、佐藤一翁が指揮を執る。数寄屋仕事に若い大工もきびきびした動きで、前に腕をふるった鏡君も同行していた。

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                   <ウイリアム君>

こう見えて、加藤工匠は、外国人の受け入れも積極的に行っている。
先日も、新たにフランスから入った留学職人が現場に来ていた。まだ言葉も片言で、回りの職人の機嫌を伺いながら下働きに精を出し、私にも丁寧な挨拶をしてくれた。
実はその頂点に、フランス人のウイリアムがいる。日本に来て9年になるが、彼は日本語も堪能で面倒見もよく、精緻な仕事をする立派な職人である。

日本の木造建築に憧れ、遙々フランスから日本に渡ってきた。とある陶芸家のつてを頼りに山形に移り住み、そこで加藤棟梁を知る。弟子になりたい一心で、断られるも日参する日々を送り、熱意が届いて晴れて入門が許された。
そもそもフランスで大工をしていたこともあって、動きもよく、瞬く間に仕事を覚えていったらしい。一昨年来の石巻での仕事中も、新聞で取り上げられたり、早稲田大学で講義をしたりと、活躍に暇がない。
特に丸太のひかりつけは見事で、木に生えた枝のように丸太を取り付ける。
先日も、隅木の丸太に合わせて、丸太桁に鑿(のみ)をあてていた。鑿の切れ味鋭い音に、暫し見とれた。

庭園の方も、いよいよ動き出せる準備が整った。
まずは常緑樹から植えだし、背景を纏めながら、流れの下ごしらえに取り掛かる。この月半ばからが本格稼働となりそうで、暫くはまた石巻通いが始まる。
長さ60mを超える流れになるため、左官レベルで流れの水面を決めねばならず、多難な先行きが予想される。職人らにとっては、大仕事になるだろう。
福清緑化、加藤孝志も、手ぐすね引いて待っていると聞いた。
追って仕事の進捗に従い、紹介したい。

  (前田)

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