住宅3題

朝方早くから仕事をする癖があって、随分と立つ。
冬から春にかけてのこの時期、日ごと夜明けが早まるのが分かる。
春が近いせいだろう、窓の曇ることもなくなった。
いま進めている住宅について、少し紹介しよう。

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                <盛岡 K邸リビングを見る>

盛岡駅からほど近い閑静な住宅地に立つ。
建主のKさんは何年も前から、私の設計した住宅を見に行ってくれたらしい。ついぞ知らなかったが、「木の家T邸」の完成内覧会のときに初めてお会いした。
早速、敷地の状況を見て、すぐに提案したのがこの形だった。
南面して公園と接するため、日差しが遮られる恐れはない。それよりも公園を通した奥に自生する林のほうに興味を惹いた。
この緑がいい形で望めないだろうか。
雪深い盛岡のこと、移りゆく自然を取り込んでみようと咄嗟に思った。
リビングを2階まで吹抜き、小屋を掛ける丸太を互い違いに組むことで構力を確保し、正面を開放させて大きなガラス面を設けることで、思うままに景色を呼び寄せたい。
現在、建築の真っ直中、矩体の木組みが成ったところだ。

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            <山形 K邸和室~リビング~ダイニング>

これは、最近決まった山形の住宅である。
ご高齢の独り暮らしだが、友人を呼んでホームパーティーをしたりと、楽しんだ暮らしをされると聞く。これも駅からほど近い、周りを住宅地に囲まれた一画に建つ。
旗竿敷地ながら南面し、周辺に高い建物がないため、充分に日差しが注ぐ。
30坪強の建坪だが、外部空間と緊密にすることで豊かな空間を演出したい。
左手が和室になり、東に面して庭を持つ。リビングとの境は引込み戸が立ち、開け放つと一体になって大きな空間が広がる。
リビングは南面して大きな開口を取り、デッキを介して庭と繋がる。
正面の太い格子裏がキッチンで、右側のカウンターがダイニングとなる。
このダイニングからは、東西に延びる庭が端まで見通せ、リビングとは違った景色を見せてくれるのを期待している。特に庭は見る角度と視線の高さで、随分違った印象になる。植裁を配すことで空間を作るのが庭で、その置き方、組み方の妙が空間を刻するのである。
基本設計が諒承され、実施設計を進めている。

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               <伊勢 W邸リビング・庭を見る>

いま伊勢で作っている、住宅のリビングである。
人混み激しい周辺だが、一歩通りから中にはいると静寂に包まれる。
南面した二間続きの和室裏に、家族のリビングがある。
東の庭と、西側のウッドデッキを結ぶように東西に連なり、周囲とはガラス戸の薄い皮膜で領域を囲いながらも、穏やかに家全体が繋がっている。
西面のハイサイドライトから日差しを取込み、周りを庭の緑に囲まれる。
どこからも風が通る、抜けの清らかさを空間に現したい。

それら詳しくは、改めて紹介しようと思う。
リビングを中心にみた3題だが、それぞれ建つところも、住む世代も異なる。
そこに住む人の暮らしがあり、営みが繰り広げられることを思うと、家を作ることの責務を改めて痛感する。作ってもらう大工も当然各地で異なるわけだが、自分の作る仕事として、一貫した精度を追求していく姿勢に変わりはない。
暮らしを見つめ、人が長く住まう家を、きちんと作りたいと思っている。
先日、東京S邸もようやく完成を見た。
次回以降、写真とともに内容を紹介したい。

  (前田)

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