たかが照明、されど照明

結局、奥さまご希望のアンティーク照明は見つからず、既存のものを代用することにしました。後日、好みに巡り会った時に付け替えが利くような形とし、取りあえず奥さまも納得されました。

しかし、意外にも一番難しかったのはキッチンの照明でした。
以前のリビングパースをご覧頂ければ分かりますが、アイランドになったキッチンの上部までが吹抜の中にあります。天井があれば何とでも出来るのですが、手元の明るさが欲しい場所にさすがに間接照明では心もとありません。
アイランド部分は調理スペースと流しがあるため、手元の灯りは不可欠です。
当初は傾斜天井から3連で吊り下げる形のペンダントを選んでいたのですが、ほかは空間重視の照明ながら、ここだけペンダントで雰囲気を損なうのがご夫妻とも納得できず、しばらく決まりませんでした。
正直、私もちょっと納得いかなかったのですが・・・・・

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現場も床の下地が張れ、かなり部屋の感じが掴めるようになってきました。
(写真上)
先日ご夫妻立会いのもと、キッチンの位置を決めようと床に墨出しをしました。
その時の奥様のひと言、「このキッチン、大きすぎない?」
開口一番の勢いに面くらいましたが、決してそんなことはありません。
奥さまが腕をふるうにはむしろ必要な大きさでしょう。近い将来、娘さんと二人でキッチンに立たれる姿を想像し、いえ、奥さまと娘さんだけが立たれるキッチンでなくても・・・? 友達を招いて家族ぐるみでのホームパーティ、誰もが気軽に立てるオープンキッチン!。などなど、きっと賑やかなキッチンになることと思います。
しだいに奥さまも大きさについては納得されたようです。
背面の外壁に面してガス台があり、アイランドとの空間を広く取ることで、二人が充分に動けるキッチンになったようです。

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さて、問題の吹抜のアイランド。やはり照明が・・・・・・。
あらゆるメーカーのカタログを取り寄せてみましたが、思った以上に相応しいものがありません。ここは大事なかなめの場所、みんなにも妥協はありません。

考えたあげく、傾斜天井の母屋にカウンターめがけてスポットライトを仕込み、それを補う形でカウンター上部にスタンド形のショーケースライトを2基立てることにしました。
宝石のショーケースなんかに立っている、シルバーのヤツです。
おそらくリビングから見ると、まるで舞台のようなキッチンになることでしょう。
まさに見せる(魅せる)キッチン!
これには山口さんも、奥さまも納得です(笑)。
「今から楽しみ・・・」、ご主人の顔をみて微笑まれていました。

(かりの)

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この記事へのコメント

くろさか
2007年06月04日 13:17
いつもご丁寧にありがとうございます。
写真の杉丸太の登り梁、実に見事で感激いたしました。元から末への見事な曲線、素晴らしいです。素材も良さそうでしたがそれを加工する大工の腕も大したものです、建築職人の仕事を見ていますと職人というよりアーチストと言った方が適切かな、と思う事があります。本当に素晴らしいです。そして山口様奥様の持つこだわりが文面から伝わって参ります。お施主様と暮らし十職様そしてビルダーとのコラボレーション、造り上げるというその事がひしひしと感じられます。きっときっと良いお住まいが完成しそうで私事のようにワクワクした気持ちになります。また一つ勉強させていただきました。
かりの
2007年06月07日 11:23
こんにちは、くろさか様。

>職人というよりアーチストと言った方が適切

私も常々そう思っています。全ての職人さんはアーティストです。技術・造形やデザインのバランス・知識・・・数え上げるとキリがありませんが、それら渾然一体なものを独自の感覚でコラボレートしていき、ひとつの作品を作り上げる。そこには凡人には理解できない自然な数式の上に成り立つ美学が知らない間に織り込まれているのです。
だから私たちは素晴らしい建築に出会ったとき、それほど建築に対して知識もないのにとても感動を覚えるのだと思います。そして、これは建築だけでなく、全ての芸術作品に対しても言えることだと思います。

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