棟 梁

新五十鈴茶屋も現場が大詰めに入ってきた。
連日多くの職人さんが入り、仕上げ工事に余念なく立ち働いてくれている。ほとんど常駐に近い状態で現場に詰めているが、細やかな部分の納まりやら、細部の寸法調整、仕上がり具合の確認など、拾っていくと打ち合わせも留まるところを知らない。

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通常の現場だと、もうこの時期に来て大工仕事が残っていることも少ないのだが、規模が大きくなるにつれ最後まで決まらないところや、工程の具合で後回しになった部分なども結構あって、一層現場が活気を呈している。


ここで大工の紹介をしよう。
全体の工事を請け負ってくれたのが志摩の”高山建設”、高山さん。

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                        (高山公次 棟梁)
高山社長とも、私が伊勢で仕事をするようになってからの長い付き合いになるが、若い頃は大阪の数寄屋師”平田雅哉”棟梁のもとで修行を積んだ強者だ。
(HP参照下さい)
さすがに材料を見る目と、取り合わせる能力は見事なもので、新五十鈴茶屋450坪の建物の木材を一手に引き受けて、建物の強弱に合わせて集めてくれた。
全体では気が遠くなるような材積だが、木びろいから手配まで、高山さんがいなかったら出来なかったに違いない。木を見ること、まさに一流である。
今仕事の「大棟梁」である。


その下に3組の棟梁が入って現場をまとめてくれた。
まずは高山建設の西村棟梁。

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高山さんとの初仕事当時、茶木さんという棟梁のもとで脇棟梁を努めていたが、一昨年の現場から、私の仕事の棟梁として現場を纏めてくれている。赤福棟~小上がり~だいどころ棟と、中庭を挟んで西~南側の建物についてを受け持ってくれた。
慎重に進める姿勢に裏付けられた正確な仕事、図面を読み込む読解力は素晴らしいもので、細かな納めなども自身で板図を書いて打ち合わせに臨んでくれる。屋根の起り(むくり)や破風の原寸、細部のメンの納まりまで自分で納得を重ねながら、実に神経の行き届いた仕事をしてくれる、信頼できる職人だ。

今回私の失敗を助けてもらった。
井戸正面(HPパース参照)の、ケラバの出と垂木割を工事にあたって変更したのだが、私のまずさで重苦しいものとなってしまった。屋根の野地まで出来ているのに気が引けて言い出しづらくしているところ、監督の小河さんが察知してくれ、西村さんが快く素早い是正をしてくれた。
まさに意気に応えてくれる人といっていい。

 (前田)

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この記事へのコメント

くろさか
2007年05月04日 09:22
いつも更新されるのを楽しみにしております。本ブログでは建物のみならず職人や監督にもスポットを当ててくださっているので嬉しく思います。「造り手の顔が見える」その普請した建物の一部からも担った人の顔が見える、本来そうあるべきものと思うのですが、現代ではそれも希薄な様な気がいたします。「棟梁」まさに建物の棟と梁は家を支える重要な部分で(柱もですが)、その昔は一国を支える重職にあった人を指す言葉でもあったそうですね。そういえば左官にも「官」がつきますがやはり官職であったのでしょうか。同じ図面で建物の普請をしても大工によって全く違うモノになったことを経験したことがあります。やはり歴史を担っている方がやられた仕事は、材も活き活きとしてそこに納まってくれていた事を思い出します。しっかりとした伝統の技術、何とか後世に残したいですよね。
前田
2007年05月13日 17:49
くろさん、有り難うございます。
今日長々とした出張から戻りました。お返事が遅れてすみません。仰る通り、作り手があって初めて我々設計が成り立っているのが事実です。その方達の誠意が仕事を全うする上では欠かせません。共に作り上げる大事な人たちだと思っています。
くろさんのところの中里棟梁を思い出します。お元気にしてらっしゃいますか。素晴らしいお仕事をする職人を身近に知っているのは、私たちにとっても励みになりますね。こういった木造建築と共に、優れた職人が後世まで続いていただくことを願うばかりです。

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